レーシックの意外な事実
ドーナツ化現象によって、大都市の住人たちがどんどん郊外に流出し、完全なクルマ社会になったことも、この立地の性格を大きく変える要因になっている。
休日など、家族での食事にマイカーを利用するのが当たり前のクルマ社会では、駐車場を探すのに苦労する駅前よりも、気軽にクルマを使える郊外のほうがずっと便利なのである。
ところで、ラーメン店は以前から、ロードサイドで目立つ業種のひとつだった。
どうしてなのか。
その理由は簡単である。
麺類はドライバーに好まれるメニューだからだ。
自分で運転する人ならわかるだろうが、麺類は消化がいいから、食べてすぐに運転しても、胃にもたれない。
満腹感も少ないため、運転中に眠くなる心配も少ない。
そのため、昔からラーメンは、トラック運転手などのドライバーにとって重宝な食事だった。
よくタクシーの運転手に聞けば、おいしいラーメンの穴場のお店がわかる、といわれるのも、同様の理由からである。
ロードサイド立地で成功するための条件は、何よりもまず看板の遠視性である。
看板が遠くからよく見えるようにする、というのは、すべての業種に共通したテーマではあるが、この立地では、看板の遠視性はまさに、お店の命運を左右してしまうのだ。
いうまでもなく、お客は看板を見てお店の存在を知ることができる。
この場合、お客は徒歩の通行人ではない。
スピードを出して走っているクルマのドライバーである。
当たり前の話だが、直前になって看板が目に飛び込んできても、クルマは急には止まれない。
また、そんな急では、このお店にしようかどうかと迷っている暇もないから、十中八九、そのまま通り過ぎてしまうことになる。
同じ道筋に有名チェーンの看板があったら、ドライバーの目にはそれしか移っていないだろう。
ロードサイド立地では、チェーン、個店にかかわらず、たいていのお店が遠くからでもよく見える大きな看板を上げているが、走っているクルマの注意を引いて呼び止めるには、相当の遠視性がなければならないからなのだ。
もちろん、そういう看板をつくるにはお金もかかる。
どんな立地でも看板には投資が必要だが、とくにこの立地では大きな投資額になってしまう。
したがって、その投資を思い切れない人は、ロードサイド立地への出店に向いていないということができる。
ところで、ロードサィド立地というと、ふつうはプリ客中心の商売でなければ成り立たないと考えるが、実はそんなことはないのである。
スケールメリットを追求する大型店.チェーン店でも、最近は固定客づくりに力を入れるところが出てきている。
なぜかというと、競争の厳しい時代になって、固定客を少しでも確保しなければ、客数が伸びなくなっているためだ。
逆にいえば、この立地でも十分に、固定客戦略をとれるということだ。
とくに個性的な味を売り物にするラーメン店は、固定客づくりに注力する必要がある。
一般に、ロードサイド店がプリ客中心の戦略をとるのは、店前通行量が多いからである。
次々にクルマが通って行くのだから、自店に必要な客数くらい楽に稼げると思っている。
ちょっと考えてみよう。
店前通行量を問題にするのは、この立地に限ったことではない。
繁華街でも商店街でも、通行量だけをあてにしているお店は少なくない。
同じ立地で、固定客重視で繁盛しているお店もまた、たくさんある。
それと同じことなのである。
毎日同じ道を通るドライバーは意外と多い。
とくに仕事で動いている人は、その可能性が高い。
そういう客層をターゲットにすることで、固定客はどんどん増えていくのである。
近くに住宅地があれば、歩いて、または自転車で来店する客層もターゲットに入れておく必要がある。
ところで、ロードサイドの店前通行量調査には、大きな落とし穴がある。
いつも渋滞している道路は交通量が多いと錯覚しやすいということだ。
また、物件の正面に中央分離帯があると、お店に入れるクルマは一方向だけになってしまう。
もちろん、通行の激しい幹線道路の場合は、反対車線のクルマをアテにすることはできない。
1台当たりの乗車人数についても注意しておきたい。
一般に乗用車の定員は4〜6人程度だが、実際の乗車人数は平均して1.5人前後でしかないのだ。
大型店.チェーン店が広い駐車場を確保しているのは実は、そのためなのである。
したがって、できるだけ駐車台数を確保する必要があるわけだが、その分の投資額も計算したうえで、出店が正解かどうかを判断しなければいけない。
無理して出店するのなら、ほかの立地にしたほうがいい。
いずれにしろ、固定客をつかむには、強烈なインパクトのあるラーメンを開発する必要がある。
多少余計に走って遠回りしてでも、と思わせるくらいのパワーがあれば、必ずお客は集まるし、固定客になる。
たまに走る人でも、あそこを通るならあのお店でと決めている。
そういうお店をめざすことである。
学生街はラーメン店の多い立地だが、お店によって客層が違うことがよくある。
いつ行っても学生たちでいっぱいのお店と、学生の姿はあまりなくて、ふつうのサラリーマンが目立つお店とに分かれるのだ。
概してそういうふうに客層がはっきりしているお店のほうが、繁盛している。
つまりこの立地では、学生相手に絞り込むのか、それとも学生以外のお客をターゲットにするのか、方針を明確にすることが、成功の大きなポイントになる。
学生街だから学生しかお客にならない、などということは現実にはあり得ないのだし、学生街だから学生相手と硬直的にしか考えられないのでは、この立地はやめておいたほうが無難である。
もちろん学生街とひと口にいっても、いろいろなケースがある。
古くからの学園町もあれば、都市部で専門学校や予備校などが集中しているエリアもある。
最近は、大学が誘致されてできた郊外型の学園町も増えてきている。
とにかく、じっくりと町の中を観察して、どういう客層がどのくらいいるのか、それぞれの競合店の様子はどうなのかを正確に把握してから、ターゲットの方針を決定することである。
まず、地域の住人や事業所のサラリーマンなどをターゲットにするのであれば、最初からそういうお店づくりに徹する必要がある。
といっても、内外装にお金をかけることはない。
ただ、学生相手の安物屋的なイメージを持たれない、上手なデザイン処理は必要である。
それと、ラーメンは量よりも味で勝負すべきである。
もちろん、ランチ需要に対してはセットメニューも必要だが、基本的にはオフィス街と同じ考え方でいい。
当然、夜は軽くアルコールを楽しめるメニューづくりと雰囲気づくりも求められる。
一方、学生をターゲットに絞り込む場合は、まず、学生には休みが付きものだということを計算しておくことが大事なポイントになる。
昔は「半年商売」などといって、夏休みや冬休みには思い切ってお店を閉めてしまうケースも多かったものだが、家賃.保証金の高いいまの時代、なかなかそうもいかない。
したがって、学生の休みの期間中を計算に入れたうえでの損益分岐点の設定は正確にすることが、成功の絶対条件になる。
学生の休みの間はサラリーマンなどが入ってくれると安易に考えているなら、危険である。
ところで、学生に支持されるお店になるためには、学生たちにとって利用する価値のあるお店として認められることが必要だ。
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